今回は3階ビジターセンターで新たに始めた小さな展示を紹介します。
※カエルが苦手な方はご注意ください。
一見、普段と変わらない内装ですが、何やらめくれるところがありますね。
めくってみましょう。
…!?
出ました、巨大ガエルです!!
これは実際に帰真園で捕まえた「ウシガエル」という種類のカエルの剥製です。
生きていた頃は鼻先からおしりの先まで15.5㎝もありました。
(剝製となった今は縮んでしまい、もう少し小さいです)
ウシガエルは「ヴォオオーン、ヴォオオーン」と鳴き声が牛に似ていることから名付けられました。
最大18㎝ほどになり、国内でみられる最大のカエルになります。
ふれあい休憩室の6年目のアズマヒキガエルと比べるとこんなにも違います!
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左:アズマヒキガエル(生体)、右:ウシガエル(剥製)
もともと日本にいたカエルではなく、原産地であるアメリカから1918年頃に食用として持ち込まれたのがきっかけで、今では全国各地でみられるようになりました。
口に入る大きさであれば、昆虫、アメリカザリガニ、他のカエル、魚類などほとんどの生き物を食べてしまいます。小さな哺乳類や小鳥を襲うこともあるそうです。
水辺に棲む多くの在来生物や他のカエルに大きな影響を与える存在として、2005年に特定外来生物に指定され、飼育や生きたままの運搬などが規制されました。
そんなウシガエルが帰真園でも定着してしまい、鳴き声が聞こえたり、姿が見られるようになりました。
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2022年5月24日帰真園で撮影されたウシガエル
今回剥製にした個体は、2024年10月29日に帰真園の池で増えすぎた水草を除去する際に捕まえました。
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捕獲されたウシガエルとその他外来種たち(アメリカザリガニ、ニホンアカガエル※国内外来種)
外来種を捕まえた場合、通常は殺処分して埋めていますが、今回捕らえたウシガエルはあまりにも立派!
埋めるには惜しい…けど特定外来生物だから生体展示はできない…
そうだ、剥製にしよう!
と思い立ち、剥製にして展示するに至りました。
剥製は、皮は本物ですが、中身は詰め物になります。
頭と胴体の部分は花の吸水スポンジで作りました。
脚の部分は綿を詰めて形にしました。
ちなみにお腹側はこんな感じです。
余談ですが、他のスタッフが「科が違うのに、お腹がアズマヒキガエルと似た模様なのが面白い」と言っており、たしかにと思いました。
剥製を作るにはいくつか手順があるので、もし気になる方がいらっしゃいましたら私「こば」にお声がけください。
地域の生き物の拠り所になっている帰真園ですが、本来いないはずのウシガエルも住み着いていることを展示やこの記事を通じて知って頂けたらと思います。
ビジターセンターに来館された際は是非その巨大さを確かめてみてください!
(こば)