まだまだ寒い2月…二子玉川公園にある日本庭園「帰真園」では”ある生きもの”達による命のスペクタクルがくり広げられます。毎年この時期が近づいてくると「今年はいつ頃か」とソワソワしだす公園スタッフもチラホラ…
その”ある生きもの”とは…もう皆さんもお気づきですね!
そう!ヒキガエルです。

公園で飼育中の個体。 通称”地蔵” 6歳
さてヒキガエルたちは何のために集まるのか?かれらがくり広げる「命のスペクタクル」とは?
それは繁殖のため、つまり新しい命を産み出すためです!
普段は公園内やお家の庭先など公園周辺で暮らしているヒキガエルたちが「繁殖」の時期になると集まってきます。場所によっては数百匹のカエルの雌雄が集まり、メスをめぐるオス同士の争奪戦「カエル合戦」が行われるようですが、二子玉川公園では今のところ多くても10数匹程度で「合戦」が行われているのは確認できていません。
ペアが決まるとメスの背中にオスが抱き着き交尾(抱接)が始まります。「合戦」の場合はこの間にも他のオスが集まり、1頭のメスに複数のオスが群がっていることも!

「抱接」する雄雌 下の大きな個体がメス 2023年

産卵の様子 2024年2月
例年は今頃になると繁殖のために集まってきた姿を確認していますが、今年はまだ現れません!
感覚ですが「雨上がりまたは小雨の降る、湿ってやや暖かく感じる日の夜」に集まってくるため、寒波の影響や雨量が影響しているのかもしれません…
(様々な条件が重なり集まってくると考えられ、まだしっかりと解明はされていません。)
カエルの発生状況は引き続き確認していきます。情報はビジターセンター1階ふれあい休憩室の「アズマヒキガエル展」で随時公開していくので皆さま公園に遊びにいらした際はぜひ見にきてください!
最後になりますが…
もともとカエルの中でも乾燥に強い種類で、主に地上で暮らしているため公園やお家の庭先で暮らすことができますが、23区の住宅地で暮らし、しっかり繁殖を続けていることはすごいことだと思いませんか?(二子玉川公園ができる以前の繁殖地や公園の池に集まるようになった理由は不明です。)
利用者の皆さま!そんなカエルやオタマジャクシたちをぜひ温かく見守ってあげてください。
1頭のメスから数千匹産まれるオタマジャクシですが、成熟して子孫を増やせるようになるのはその中で数匹と言われています。
二子玉川公園のカエルたちを絶やさないためにも、むやみな「採集」はせずに「観察」に留めて頂けると幸いです!
(やたっち)