セミたちの工夫

園内には、たくさんのセミたちの声がするのですが、
なかなか姿を見つけるのが難しいと思っている人も多いと思います。

それもそのはず、セミたちも姿をみられないように「擬態」しています。
(“擬態”とは、自分の体を他の生物や周囲の模様に似せることで、
敵から身を守ることです)

どのように擬態しているか、アブラゼミとミンミンゼミでみてみましょう。


アブラゼミ


ミンミンゼミ

まずは羽の色です。
アブラゼミの羽は茶色のまだら模様で木の幹に擬態し、
ミンミンゼミなどの透明な羽は背景の色を透かすので全く目立ちません。
実はアブラゼミのように色の付いた羽というのは世界的に見て珍しいタイプで、
基本的にはどんな場所でも目立たない透明色の羽を持つセミが多いのです。

次に体色です。
アブラゼミは黒色で、木の幹に溶けこみ見つけづらいです。
ミンミンゼミは少し派手な色合いをしていて、一見目立ちそうですが、
写真のように遠くに見える木の葉の陰や苔むした樹皮などに
擬態しているのかもしれません。

また、暑い地域では熱の吸収を抑えるため黒地が少なく緑が多い個体
(ミカドミンミンと呼ばれます)が生まれ、涼しい地域では
黒地が多い個体が生まれるなど、機能面の個体差もあるそうです。

小さな虫たちもいろいろ工夫を凝らして、生きているのですね。
よく見るととてもきれいな昆虫なので、ぜひ探してみてください!

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