Archive for 自然情報

紅葉、黄葉、褐葉

公園の木々も色づきはじめ、秋から冬へと季節が移ろいはじめていることがわかります。私たちは、葉が冬にかけて色づくことを、ひとまとめに紅葉と呼んでいますが、細かく分けると、葉が赤く色づく紅葉(こうよう)、黄色く色づく黄葉(こうよう)、茶色く色づく褐葉(かつよう)などがあります。

【カキ】

赤く紅葉(こうよう)する木の葉は、気温が下がってくると、葉と枝の間に層ができて、光合成でつくられた糖分などの移動ができなくなります。
移動できなくなった糖分が蓄積して、そこに日光があたるとアントシアンという赤色の色素に変化することから紅葉します。

【アカメガシワ】

黄色く黄葉(こうよう)する木の葉は、葉緑素とカロチノイド(黄色い色素)をもっていて、秋が深まっていくと葉緑素が先に分解されてカロチノイド(黄色い色素)が残るため葉が黄色く見えます。

【クヌギ】

褐葉(かつよう)する木の葉は、赤く紅葉する葉のアントシアニンの代わりにタンニンができることから、黄色や褐色を帯びた色に色づきます。

これらの紅葉は、樹種やその年の気温差などで色づき方も様々になります。
葉を拾ってよく見てみると、真っ赤な色が美しいもの、まだら模様に紅葉していて味わい深いもの、茶色かかってやさしい色味になっているもの…1枚1枚それぞれの味わいをもっていて見ていて飽きません。

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大麦の種をまきました。

11月に入り、穏やかな秋晴れが続いています。
園内では、本格的な冬がやってくる前に
済ませておきたい仕事があります。

種まきもその一つ。

秋まきの代表、大麦の種まきの様子をご紹介します。

 

畝(うね)をたて、筋状に種をまく場所を作ります。
 

種をまいたら、鳥に見つからないように土をかぶせます。
 

土をかぶせても、中目黒の鳥たちは鼻がきき、掘当ててしまうので
念のため、カバーをかけておきました。
 

これで、来年の6月もおいしい麦茶が飲めるでしょうか?
皆さんも麦の生長を見守ってくださいね。

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植物の知恵

すっかり、秋の景色になった中目黒公園を少し散策するだけで、
植物のいろいろな種を発見できます。

植物は、動物と違って自分で動くことができないので
いろいろな知恵をしぼって、種の形で遠く旅立つ準備をしています。
今回は、そんな植物のけなげな姿をご紹介します。

原っぱを散策すると、
足にいろいろくっいてきます。

これは、アレチヌスビトハギです。

マメ科の植物でサヤが、ザラザラとしています。
人や動物にくっついて移動しようと試みる植物です。

たとえば、
 
センダングサ         オオオナモミ

形をみるとくっつきそうですね。
公園から帰ったら、洋服を確認してみてください。
もしかしたら、植物の種がついているかもしれません。

空をとんで大きく羽ばたこうと試みるのは、アベリアとモミジの仲間
 

種をよく見ると羽根がついていますね。
 
アベリア            モミジ

鳥などの動物に食べてもらって、どこか遠くに連れて行ってもらおうと
考えた植物は、赤い実をつけました。
  
サンザシ           バラ          エノキ

ドングリは、とりあえず、「ドングリころころドングリこ~♪」
ころがって移動を試みるようですが・・・
ドングリはどこでも大人気。みんなが拾って持ち歩いてくれるので、
ドングリは思いのほか遠くに移動できるようです。

秋の中目黒公園は、植物の知恵が詰まっています。
散歩がてらに、植物の知恵を解明してみるのも楽しいですよ。
見頃の花もたくさん楽しめます。
ぜひきてください。

  
アメジストセージ      ホトトギス        フジバカマ

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もりもりいもむし

園内の植物も落葉をはじめ、まだ暑い日もありますが
サーっと吹く風で秋を感じます。

園内の花壇を注意深く見てみると
にょきにょき動く姿がありました。

ゴマの葉にはシモフリスズメのいもむし

フェンネルにはキアゲハのいもむし

アブラナ科のブロッコリーにはモンシロチョウのいもむし

いもむしは好んで食べる葉っぱが種類ごとに違います。
この好みの葉っぱのことを「食草」といいます。
食草からいもむしの種類を見分けることもできます。

ハート形の葉っぱのウマノスズクサには

ジャコウアゲハのいもむしです

これらのいもむしの食草になる植物は
スタッフをはじめボランティアさんが一生懸命育てた植物なので
葉っぱを全部食べられてしまうと困ることもしばしば…
でも、ずっと見ていると愛着がわいてしまい、つい見守ってしまうことも。

そんな光景も無農薬で自然の循環を大切する
中目黒公園ならではのことなのかもしれません。
他にも公園にはたくさんの虫たちが元気に過ごしています。
公園で見つけた虫は、何を食べているのか観察したり
学習館にある図鑑で調べてみても、おもしろいかもしれませんね。

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秋の気配

台風の後の強風の中、園内を歩いていると、
じゃぶじゃぶ池の辺りで、あまい香りがしました。

「カツラ」という木は、葉っぱから砂糖を焦がしたような
甘い香りがするということが知られています。
雨の日や、紅葉時期になるとよく香ります。
カツラの木をみると、ほんのり黄色っぽい気もしますが、
紅葉はまだの様子です。
足元をみると、葉っぱが落ちていました。

カツラの葉です。

茶色ぽっくなっていて、甘い香りがしました。
香りは、やはりカツラの葉でした。

強い雨と風のせいか、たくさんの実が地面に落ちていました。

上を見上げてみると、たくさんのドングリが実っていました。
今年は、豊作でしょうか?楽しみです。

また、南米原産の「パンパスグラス」は、
もう既に穂を出して、風にそよいでいました。

例年6月下旬ごろに見頃のジャカランダの花は、
今年は咲くことがなく、みんなをがっかりさせていましたが、
突然今になって、1輪咲きました。
来年を楽しみに、ということでしょうか?

「暑い暑い~」といっていたけれど、少しずつ
秋が近づいているのですね。

じゃぶじゃぶ池は、8月一杯で終了となりました。

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すこし涼んでいきませんか?

暑さの盛りは過ぎたようですが、暑い日が続いていますね。
公園の中を歩いているとほかの場所より少しひんやりとした涼スポットがいくつかあります。今回はそんな涼スポットをご紹介します。

まずは、じゃぶじゃぶ池。
夏期限定で水が流れています。
(8月31日まで9:30~11:30・14:00~16:00の間水が流れています。)
水あそびができることもあり、親子連れの方でにぎわっています。
水が流れる様子を見ているだけでも、涼し気な気持ちになりますね。

大きく育ったケヤキやエノキの木の木陰。
芝生の上でのんびりくつろぎながらひと休みするのもおすすめです。

最後は学習館前のグリーンカーテン
みなさんはグリーンカーテンという言葉は聞いたことはありますか?
つる性の植物を建物に添わせるようにして育てていることによって、外からの日差しをやわらかくしたり、葉の蒸散作用によって室内の温度を下げる効果もあります。

今年もハナマメ、オキナワスズメウリ、キュカメロンなどの素敵なカーテンができています。写真に写っているのは、三尺ササゲ。この暑さの中、長ーい“さや”が実りました。

まだまだ暑い夏が続きそうですが、公園に”涼”を求めて涼みにいらしてはいかがでしょうか?

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【実施報告】セミの羽化観察

外の暑さも多少弱まり、日が暮れ始めるとある生きものが
土の中から顔を出します。


セミの幼虫です。


セミは卵から孵化すると土の中で何度も脱皮を繰り返し大きくなります。
そして、夏の日暮れから朝方にかけてゆっくり羽化をします。


7月25日に花とみどりの学習館ではイベント「セミの羽化観察」を行いました。
館内でセミクイズに挑戦し、セミについて少し詳しく学んでから
夜の公園へ出発!
地面を歩くセミの幼虫、木に登って羽化する場所を探している幼虫、
そしてまさに羽化の瞬間など
さまざまな場面に出くわすことができました。

参加者からは
「いろいろな羽化を見ることができて楽しかった」
「最初から最後まで見守りたかった」
などの声も上がり、イベントは大盛況で幕を閉じました。

イベントは終了しましたが、セミの羽化は夏の間中観察することができます。
抜け殻がたくさん見つかる場所があれば、そこは羽化スポット!
是非、神秘的なセミの羽化を観察してみてはいかがでしょうか。


また、花とみどりの学習館ではセミにまつわる展示も公開中です。
館内は外より涼しくなっていますのでお立ち寄りください。
皆様のご来館をお待ちしております。

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夏の訪れ

関東甲信で6月中に梅雨が明けたのは、気象庁で統計を開始した昭和26年以降、
初めてのことだそうです。

「梅雨に咲く花」でご紹介したタチアオイの花も一番上までしっかりと咲いていました!タチアオイも梅雨明けを知らせてくれていますね。

梅雨が明けたとたん、照りつける太陽は、すっかり真夏のようです。
公園を彩る花が咲き始めました。


ヒマワリ

デュランタ

マリーゴールドとマツバボタン

暑さにも負けず、元気に咲いている花を見つけると、こちらも元気をもらえるような気がしますね。
この他にもたくさんの花が咲いていますのでぜひ、見に来てくださいね。

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ダンゴムシの今日のごはんは・・・

雨が降ってじめじめしたときに
元気に活躍する虫がいます

ダンゴムシです。

ダンゴムシは普段、枯葉や岩の下で生活しています。

こどもにも大人気のダンゴムシのごはんは何でしょう?

枯れ葉、死んだ虫、新聞紙などの紙などもりもり食べます。
なので「自然のお掃除屋さん」と呼ばれることもあります。
丈夫な体を作るために、コンクリートや石も食べています。

時には、育てている野菜や花などの植物も食べてしまうほど
とっても食いしん坊!

おなかが一杯になると、四角いうんちを出します。
そのうんちが土の栄養になって、その栄養をもとに植物が育って・・・
いのちの循環のなかでも大事な役割を担っているんですね。

そして今頃の時期から、ダンゴムシは繁殖期に入ります。
メスには黄色い点々模様がありお腹にはたくさんの赤ちゃんを抱えています。
もしかしたら、今食いしん坊なのは赤ちゃんを育てているからかもしれませんね。

ぜひ、ダンゴムシの親子を探してみてくださいね。

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ある雨の日….かわいい来館者

ある雨の日の朝、
学習館の掃除をしていると、
大きなホコリと思ったら、
ピョコピョコと動き出し・・・

よく見ると、小さな
ヒキガエルでした。
指の大きさと比べると
1cmほどでしょうか?

今年生まれたオタマジャクシが、
「こんなに大きくなりました!」とあいさつに
来てくれたのでしょうか?
雨の日は、こんなかわいい来館者も来ます。


雨の中、公園に帰っていきました。
また、大きくなったら、姿を見せてほしいですね。


園内には、意外とたくさんのカエルさんが棲んで
いるかもしれません。
そっと成長を見守りたいですね。

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