御岳山のニホンジカ
御岳山には、約25種類の哺乳類が生息しています。
ニホンジカは御岳山周辺では2007年より生息が確認され、ここ10年ほどの間に目撃情報や痕跡(食べ跡、糞など)を見つけることも増えてきました。
●センサーカメラに映ったニホンジカ
センサーカメラに映ったニホンジカです。時間帯は明け方4時、角が生えているのでオスです。
御岳山内の井戸の周りの植物をむしゃむしゃと食べています。
ニホンジカが増えるとどうなる?
ニホンジカは草食動物で、1日に約4㎏もの植物を食べると言われています。
増えてきたニホンジカの食圧により、御岳山内の植物にも影響が出てきました。
山内の特定の植物が食べられ続けて枯れてしまったり、植物自体も少なくなってきています。
特に地面から近い植物(下層植生)の衰退、ニホンジカの好まない植物ばかりが残り増加しているなどの影響が観察されており今後の影響が心配です。
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【木もれび】2019年秋号
>御岳山で採食された植物の一例<
レンゲショウマを守れ!
御岳山のレンゲショウマ群生地は、他所ではなかなか見られない規模と美しさを兼ねそろえた場所です。
御岳山での調査では、ニホンジカはこのレンゲショウマを好んで採食している傾向が見られました。
食害にあったレンゲショウマは上手く育つことが出来ず、花をつけられなくなります。
レンゲショウマの群生地のある富士峰園地にはニホンジカが入ってこられないように柵が立てられました。
この柵により、レンゲショウマの群生地内の植物はニホンジカからの食害の影響を受けずに育つことが出来ています。
ビジターセンターでは、増えて来ているニホンジカの与える影響を調べるために2014年度からニホンジカによる食害調査を行っています。
みなさんにお願い
●ニホンジカの情報提供求む
御岳ビジターセンターでは、御岳山周辺のニホンジカの生息情報を集めています。
もし、ハイキングや登山中などにニホンジカを見た場合には、ぜひビジターセンターまでお知らせください。
●富士峰園地園地の柵閉めのお願い
富士峰園地には現在、9つの柵があります。
柵が開いたままになっていると、中にニホンジカが入ってきて植物を食べてしまいます。
ご利用の際には柵は必ず閉めて頂くようにお願いします。